あなたは人がモノを買いたくなる心理を知っているだろうか。モノを買いたくなる心理を知ってるか知っていないかであなたの売る商品の売上は大きく変わってくる。本書はお客がモノを買ってしまう心理的トリガーを解説している。
もし、あなたがコピーライティングやマーケティングで迷っているならば、必読だ。本書に書かれた心理的トリガーが分かれば、あなたは売れるコピーライター、マーケターになることができるだろう。
本記事では「シュガーマンのマーケティング30の法則」に書かれた心理的トリガーについて解説する。
「シュガーマンのマーケティング30の法則」はお客の心に働きかけ、心を動かし、購買を決めさせるための心理的トリガーを解説した本だ。心理的トリガーはタイトルの通り30種類ある。実例から解説されているので、実践にも持っていきやすい。
目次を見ただけでは、意味が分からないかもしれない。しかし、各トリガーの解説を見ると心当たりがある心理だと思う。なぜなら、私たちが買い物をするときにすでに仕掛けられているものも多いからだ。
もし、あなたが心当たりがあり、購入を決めていたのであれば本書の効果をあなた自身が実感しているはずだ。あなたは誰よりも購買の心理を知っていることになる。
本書で読んで、心理を自覚をするだけで、コピーライティングやマーケティングで役立つこと間違いない。
著者のジョセフ・シュガーマン氏は世界中で有名なコピーライター、マーケターだ。アメリカ屈指のコピーライターとして名が挙がる人物で、ダイレクトマーケティングで史上最も成功したとも言われている。
ダイレクトメール、通信販売広告、カタログ、インフォマーシャル番組、テレビショッピング「QVC」を通じてブルーブロッカーというサングラスを世界中で2000万本以上を販売し実績をもつ。
シュガーマン氏の手法は画像などのグラフィック要素を使わず、文字だけで埋めた広告が有名だ。当時の広告としては斬新な手法で、業界の注目を集めている。文字だけで埋めるということは文章で引き込む技術に優れていたこと他ならない。
シュガーマン氏のマーケティング手法を学べばコピーライターとしてのスキルも向上すること間違いなしだ。
「シュガーマンのマーケティング30の法則」はコピーライターやマーケターが読むべき一冊だ。アメリカ伝説のマーケターと言われたシュガーマン氏の手法は顧客に商品を買ってもらうために知っておくべき心理が凝集されている。
もし、あなたがたくさんのコピーを書いたり、販売をしているにも関わらず、成果が出ていないと感じているならば、本書をじっくり読んでもらいたい。
独特の表現ではあるが、実体験や具体例から心理を解説しているため、自分に置き換えやすく、実践も容易だ。
商品やサービスを買う側でも知っておきたい心理でもある。心理を知っておけば、無駄な買い物をしなくなる。なぜなら、相手が購入させるための作戦を見破ることができるからだ。コピーライターや販売員は私たちの心理に訴えて、営業する。もし、心理を知らなければ相手にコントロールされるがまま購入してしまうだろう。
商品の購入の際に、無駄遣いをしないためにも一度は目を通しておきたい一冊だ。
心理的トリガーは顧客に商品を売るための「言葉の力」だ。決して、商品自体の性能ではない。商品の売れない原因を商品の性能、品質にする人がいる。売れない原因を商品のせいにするのは間違いだ。
なぜなら、心理的tトリガーさえ分かれば、どんなものでも売ることができる。
心理的トリガーの1つの手法を使えば、1000語ある広告の最後の数語を買えただけで、問い合わせ数が2倍に増えたと著者は語っている。著者の体験から、心理的トリガーの効果というのが分かってもらえると思う。1つで倍にする効果がある心理的トリガーが30も紹介されている。
心理的トリガーの持つ効果は著者がコピーライターとして活動した際に使用した販売テクニックだ。効果も自身の実績をもって証明している。また、本書の冒頭にギネスブック12年連続世界No.1セールスマンのジョージラード氏も「心理的トリガーが分かれば、あなたに売れないものはない」と書いている。
心理的トリガーは商品の販売を伸ばす上で、必要な知識であることが分かってもらえると思う。
人は購入する際、性能を見て買っているわけではない。顧客が商品を買う理由の95%が無意識の決断だ。本書内では、ベンツを購入するという例を元に書かれている。購入者は「ベンツのオーナー」という感覚的ステータスを手に入れるために購入する。
しかし、購入した理由を説明するときには理屈を話す。ベンツの例をとれば、乗り心地がいい、走りが素晴らしいなどだ。
同じような性能は日本車や他の欧州車でも達成できているのにも関わらず、購入者は理屈で説明しようとする。
つまり、購入するときの心理から考えればコピーライターや感覚に訴えるコピーを考えなければいけない。まず、感覚的な理由を上げて、広告コピーやセールスに反映させるべきだ。また、今までのコピーを書いた経験のある人は一度見直し、感覚に訴えるような情熱的な言い回しを考えてもらいたい。
性能が無駄とは言わないが、顧客に売るためのコピーやセールスとしては優先順位を下げるべきだ。
一貫性の原理とは一旦購入を決定した顧客は最初の購買行動と一致した行動を取り続けようとすることだ。一度、顧客が商品の購入を決定すると、購入するという行動に対してのハードルが低くなる。そのため、一度購入を決定した人に対しては続けて購入を進めることで買ってもらいやすくなる。
車の購入を決めた後に、ディーラーがオプションを次々勧められる経験はないだろうか。はディーラーが勧めるのは一貫性の原理に訴えかけているのだ。特に車という高額な商品の購入の後であれば、オプションの金額など小さいと感じるので効果的だ。
売上を上げていきたいのであれば、一度購入を決めた顧客に対しては積極的に営業をしていきたい。
顧客に説明する際には欠点を最初に出すことだ。欠点は購買意欲を下げるため、できるだけ隠したり、後回しにしたいという人は多いと思う。しかし、後回しにしては顧客の購買を促すことはできない。また、隠してしまうというのは顧客が気づいた時のリスクを考えればもってのほかだ。
最後にもっていく理由としては、最後にマイナス要素を持たせることでせっかく購入したいと思っていた顧客が冷めてしまう可能性が高い。
最初に説明して、ポジティブなところを後に回すことで、「買いたい」という気持ちを維持したままにできる。
欠点を最初に出す際には1つ注意点がある。欠点を克服したり、カバーする方法があることだ。もし、欠点を放置しざるをえない状況だと最初に下がった購買意欲が上がらないからだ。欠点は克服して、顧客を安心させなければいけない。
帰属欲求は特定の商品やサービスを購入する中で最も強い心理的トリガーだ。ブランドや人気商品を買うときに人は持っているグループに仲間入りしたいという欲求がある。
そこで、顧客がどんなグループに属しているかを見極め、ニーズや欲求と商品との接点を見つけることで「帰属欲求」という心理的トリガーを使える。
所有グループが共感している理由を調査し、その情報を活かすコピーやセールスポイントを考えたい。すると、顧客は「グループに所属したい」「仲間入りしたい」という心理を動かされて、購入してもらいやすくなるはずだ。
人間の心理には収集したいという強い衝動がある。腕時計やスニーカーといったいわゆる収集癖のある人が周りにいると思う。収集欲求とは特別な心理ではない。収集癖のある人は収集欲求が強いだけであって、収集欲求は誰にでもある心理だ。
また、収集欲求は収集品に限った話でもない。あなたが売ろうとしている商品も同じだ。あなたの商品を買った顧客は同じような商品を買う可能性は高い。また、どうコピーを書けば、自分の商品が顧客の収集欲求を刺激するかを考えるべきだ。
商品の特徴や見込み顧客の収集衝動を調べて、コピーやセールスに活かしてほしい。
顧客に商品を買ってもらうには先延ばしにさせてはいけない。考える時間を与えてしまうと冷静になったり、忘れられたりで、購入してもらえる確率は低くなる。今買わなければ損してしまうや二度と手に入らないという心理にさせなければいけない。
日常の中でよく見るのは「期間限定」や「今だけ〇〇%OFF」だろう。タイムバーゲンもいわば切迫感を利用している。人は損したくない生き物だ。今買わなければ高い値段で買うことになるとなると、「どうせ買うなら、安いときに」と言って買ってしまう。また、結婚式や引っ越し業者は「ここで決めてくれれば割引します」といってくることが多い。こういった表現も切迫感に訴えかけているのだ。
広告でも顧客がすぐ買った方が良い理由を述べたほうがいい。ただし、むやみやたらにしてはいけない。あくまで誠意をもって広告を書くことは忘れてはいけない。
本記事では5つの心理的トリガーを紹介した。「シュガーマンのマーケティング30の法則」では、他に25個の心理的トリガーが紹介されている。どれも日常で心当たりが合ったり、実用されている心理だ。
しかし、多くの人が意識して使えているかというと違う。なんとなく理解して使っている場合が多い。本書を読めば、理屈と実践を通じて、あなたの商品の売上は倍以上になるだろう。
ギネスブック12年連続世界No.1セールスマンのジョージラード氏が序文で本書で解説している心理的トリガーを知るだけで「売上は2倍、3倍にもなる」「ライバルより先に読みたい」とまで言っている。ぜひ、手に取ってもらいたい。