本エントリーでは、神田昌典さんの著書「禁断のセールスコピーライティング」の中から、「自分の商品を理解する大切さ」「それを理解するための6つの質問」「ギャップをつくることの大切さ」についての紹介をします。極めて本質的なセールスコピーライティングの基本になるので、しっかり学んでいただき、皆さんのビジネスをしっかり骨のある、筋の通ったものにしてもらえたらと思います。また、ビジネスをやっていない人でも、「自分自身を売る場面」や「何かを説明する場面」「会社のプレゼンテーション」でバッチリ活用できますので、ポイントを頭に入れて、使ってみてくださいね。
●自分の商品を理解しよう
● 理解するための6つの質問
① ズバリどんな商品か?
② 「何とか売ってくれ」と頭を下げるのはどのようなお客か?
③ いろいろと似たような会社がある中で、なぜ既存客は自分の会社からこの商品を買うことにしたのか?
④ お客はどんな場面で、怒鳴りたくなるほどの怒りを感じているのか?
⑤ なぜこの商品はその悩みを簡単に短時間で解決できるのか?
⑥ 猜疑心(さいぎしん)を吹き飛ばす、具体的・圧倒的な証拠は?
● ギャップについて
Contents
コピーを書くために自社商品、自分自身を理解する
これからとても大切なことを書きます。基本中の基本なのに、みんな、なかなか理解できていないことかと思います。コピーライティングをする前に知っておくべきこととしてまず大切なのは、「売る商品について理解する」ということです。そうとってもシンプルなことなのです。きっと、拍子抜けしたかもしれませんね。
くわえて商品以外にも顧客の立場から、自社の優位性についても理解する必要があります。会社を持っていない人は、「自分自身の姿勢、自分自身の商品価値」と置き換えて考えてみてください。
当たり前のことを言っているかと思いますが、これらをいざ言葉に出そうとしてみても、はっきりと明確に説明できないことが多いです。明確な言葉として表すことができないと、コピーライティングを始めようと思ってもつまずいてしまうのです。
- 自分の扱っている商品とは何なのか?
- 自分の顧客はどんな方々なのか?
- 自社は他社と比較してどんな優位性があるのか?
まずは、自分の「商品」「顧客」「自社の優位性」についてもう一歩深く理解しましょう。つまり、「あなたのビジネス」を理解しましょう、ということですね。明確な言葉として表現できてはじめて理解したということになります。理解が深まれば、その後のコピーライティングも、段違いに書きやすくなります。
そんなん言うけど、自分の商品のことくらい、わかっているわい!
たしかに、そういうことを言う方も必ずいると思います。でも、実際に、次の6つの質問を投げかけたときに、パンパンと即答できる人がどれくらいいるでしょうか。
コピーがグンと書きやすくなる「6つの質問」
では、「商品」「顧客」「優位性」の理解を深めるには? どうしたら良いのか。
著者の神田さんは、「適切な答えは、適切な質問をすることによって得られる。」と言い切っています。適切な質問に対して、適切に答えることができるのであれば、あなたはその商品について深く理解をしているということになりますよね。
神田さんが発明した質問、「商品」「顧客」「優位性」を理解するための質問は全部で6つあります。ここでは、それら6つの質問について、1つ1つ解説してみましょう。
質問1:その商品は、ズバリどんな商品か?
この質問に対してズバリひと言で答えることができるのであれば、あなたはこの商品について理解している、ということになります。ここ、15秒以内に説明してみて‼と言われて明快な説明できますか? ひと言、というのがとっても重要でして、「この商品は○○であって、××もあって、△△でもあるんです。」と答えていては深く理解していないということになります。
「ズバリ〇〇です!」とクリアに答えられれば、あなたはこの商品、コンセプトについて理解していますし、説明される側も理解しやすいですよね。「あれもいいし、これもいいし……」と言うのは、情報を受け取る側にとっては、結局のところ何が大事なのか分からなくなってしまうのです。
質問2:「何とか売ってくれ」と頭を下げるのはどのようなお客か?
2つ目は「何とか売ってくれ」と頭を下げるのはどのようなお客か?についてを考えてみて欲しいのです。ここでのキーワードは「苦痛」と「快楽」です。その商品をどうしても売って欲しいと、お客が行動を起こす原因はこの2つのキーワードに強く関連があると言われています。
- 「苦痛を避けるため(に売ってください)」
- 「快楽を得るために(売ってください)」
そして売り上げる上げるためには「苦痛を避けるために」という切り口が圧倒的に効果的です。まずは「苦痛を避けるために」の切り口でどんな人が買ってくれそうか考えてみましょう。
苦痛と言っても色々なパターンがありますよね。病気から回復するため、病気にならないため、安心を得るためなどです。顧客について深く考え「痛み」を「何かお困りのことがあるだろうか?」と思いをはせることが大事です。
質問3: いろいろと似たような会社がある中で、なぜ既存客は自分の会社からこの商品を買うことにしたのか?
3つ目の質問は、売り手であるあなたの信用についてです。人は誰でも、だまされたくありません。どこの誰だか分からない怪しい人から、物を買いたくありませんよね。
そこで、売り手の信用を説明するのです。「お客様の声」「権威づけ、肩書き、略歴」なども有効です。比較した上で選ばれる理由を説明できるか、言語化できると良いですね。
質問4:お客はどんな場面で、怒鳴りたくなるほどの怒りを感じているのか?
4つ目は、お客はどんな場面で、怒鳴りたくなるほどの怒りを感じているのか?です。怒鳴りたくなるほどという表現は相当強い言葉ですよね。しかし、その怒りたくなるほどの不平不満が解消された場合の効果というものは計り知れません。
例えば、マクドナルド。お昼時はとても混雑しますよね。すぐに食べたいのに食べられない。そういう不満を抱えた人は多かったと思います。そこで、マクドナルドのモバイルオーダーやウーバーイーツです。不平不満をパッと解消することで大ヒットしました。マイナスをプラスに変えるのがポイントで、そのマイナスが大きければ大きいほど、より効果が大きいのです。
質問5:なぜこの商品はその悩みを簡単に短時間で解決できるのか?
例えば電動ドライバーは、手動ドライバーに比べて短時間で楽にネジを回すことができますよね。手動は疲れるし、時間がかかるし、といった不平不満に対し、電動ドライバーはどのように解決できるのか。その商品が持っている利便性、短時間でどのように解決できるのかを言葉にしてみましょう。
実は、ここがすっぽり抜け落ちてしまっている商品というのは、非常に多いのです。未来の姿だけ見せられても、「じゃあ、どうやってそれを実現するの?」というその理屈、道すじをしっかりと説明してくれなければ、信用してもらえないのです。
質問6:猜疑心(さいぎしん)を吹き飛ばす、具体的・圧倒的な証拠は?
6つ目の最後の質問が、猜疑心を吹き飛ばす、具体的・圧倒的な証拠は?です。そもそも猜疑心というのは、相手の言動や行動を疑う気持ちという意味です。
消費者というのは商品に対し、様々な疑問や疑いの目を持っています。商品についての説明を聞いたとたん、お客はどんな疑いを持つのか?
ここではあらゆる疑問をいくつも具体的に思い浮かべることが重要です。そして、思い浮かんだ数々の疑問を吹き飛ばす圧倒的な証拠が提示できると、ユーザーは安心して商品を買ってしまうのです。
以上の6つの質問を答えることができればクリアな商品と言えます。クリアな商品というのは売りやすいです。
質問に答えられることで、商品への理解も深まっている状態になります。6つの質問の答えをシンプルに言語化することができたなら、ほぼコピーライティングの前段準備は完了と言っても良いでしょう。
購買という行動に結びつけるために、人間の行動メカニズム「ギャップ」について
なんだか難しそうな雰囲気になってきたな〜。人間行動のメカニズム???
「人間の行動メカニズム」と聞いて難しそうと思ったかもしれません。
しかし、「人間の行動を起こすメカニズムは、非常に簡単である。」とこの本の著者である神田さんは言っています。それは言い換えると、人間が行動を起こすタイミングというのは、「想定する期待」と「現実のギャップ」が耐えきれないほどに広がった場合、人間は行動を起こすというのです。
- 「想定する期待」
- 「現実のギャップ」
2つのギャップが人を動かします。
これ、どんなことを言っているか、分かりますか。実は、このメカニズム自体は簡単なのです。が、お客さんの「想定する期待」を正しく把握していないと、ここに対するギャップを仕掛けることはできないのです。
なので、実際にコピーライティングを書くときは、「想定期待」をしっかり把握するために大いに頭を使ってもらう必要があります。頭というか、心と言ってもいいかもしれませんね。この想定期待と現実の2つのギャップが大きければ大きいほど広ければ広いほど、人間は動かずにはいられなくなるのです。
うん? いまいちピンと来ないな。どういうこと?
そうですよね。きっとそういう方は、あなただけはないと思います。ここでは一例をあげましょう。
例えば、ライザップのCM!です。このCMでは2つのギャップを非常にわかりやすく伝えていますね。
・「太っている」という現実
・「痩せて恋愛ライフがバラ色」という想定
この2つのギャップを見せて、ダイエット商品のリンクを貼ったりするとパンっと売れます。
このギャップをいかに作れるか? このギャップがどれほど大きいか? が、商品が売れるか売れないかの別れ目になっているのです。
つまり商品自体に、このギャップをつくれる価値(ベネフィット、機能、スペック、ストーリー)が込められているかどうか。実はこの時点で、既に商品の売れる、売れないが決まってしまっているとも言えます。
・「太っている」 ⇒ イヤだーっ!(苦痛)
・「痩せて恋愛ライフがバラ色」 ⇒ 憧れるーっ!(快楽)
このギャップは、単に言葉遊びだけ、広告表現だけでつくれるわけではありませんね。ライザップは、実際のプログラム、インストラクターの質などで、商品・サービスとして、これらのギャップをつくれているのです。
でも、実は、こうしたギャップは、多くの商品が内包しているものになります。ただ、そのギャップが明快でないし、ブレている。そうなると、「ユーザーには伝わらない」し、結果として「ユーザーは行動しない」ということになってしまうのです。
● まとめ
今回はコピーライティングの基本として、神田昌典さんの『禁断のセールスコピーライティング』の中から6つの質問を紹介させていただきました。
・自分の商品を理解する大切さ
・それを理解するための6つの質問
・ギャップをつくることの大切さ
について紹介しました。
しかし、ここで触れたのは本書のごく一部です。
本書では、実際のDMやセールスレターを公開して、その実例を元に「コピーライティング」について、分かりやすく解説しています。さらに、今すぐに実践可能なコピーライティング、PASONAの法則、実況中継など、様々な技を紹介しています。
内容が気になる方は、ぜひ、本書を手に取ってみてください。また、迅速に行動を促すセールスコピーライティングは数字がはっきりと結果に出るデジタルコンテンツととっても相性が良いです。その数字をもとに改善を繰り返すことができるので成果につながりやすいのです。
では本日がここまで。また次の機会を楽しみにお待ちください。
動画でこの内容を確認したいという人は、こちらも観てみ
てくださいね。