「新規顧客やリピーターを獲得し、さらに自社商品の魅力を分かってもらうにはどうすればよいか?」
また、セールスコピーを作成するにあたり、「顧客心理に刺さるコピーライティングに悩む」と、頭を抱えてはいないだろうか?
そんな時にぜひとも活用したいのが「FABフォーミュラ」である。
これを活用すれば今後のコピーライティングで、より顧客の心に刺さる文書作成が可能となる。
この記事では、コピーライターなら知っておきたいFABフォーミュラについて、徹底解説していこう。
Contents
「FABフォーミュラ」の基礎知識
「FABフォーミュラ」とは、自社のサービスや商品の魅力をより強く伝えるために使われる、コピーライティングの技法である。
頭文字のFABを細かく分けると、以下の3つの要素で構成されている。
- Feature(機能・特徴)
- Advantage(利点・効果)
- Benefits(利益)
では、その一つ一つを詳しく解説していこう。
Feature(機能・特徴)
FABフォーミュラの「Feature(フィーチャー)」とは、いわば商品の持つ機能や特徴やスペック(性能)のことを指す。コピーライターとしてはついつい良いことばかりを書きたくなるが、ここではメリットでもデメリットでもない、客観的な事実の部分である。
例えば赤ちゃんの居る母親が、赤ちゃんとのお出かけに必要な「マザーズバッグ」があるとしよう。
FABフォーミュラのFeature(機能・特徴)に該当する項目は、次の通りである。
- 大容量のビッグサイズ
- ベビーカーにかけるフック付き
- 肩にかけるベルトの部分が太い
- ポケットがたくさんある
- 撥水・防水加工
- 値段は3000円弱
コピーライターであれば、あらゆる物事や商品に対し、その特徴をあぶり出す癖をつけるとなお良い。
さまざまな視点と鋭い感覚で、物事の特徴を掴むセンスを養おう。
Advantage(利点・効果)
FABフォーミュラの「Advantage(アドバンテージ)」とは、先ほどのFeature(機能・特徴)によって、自社の商品やサービスが顧客にもたらすプラスの効果を指す。
いわゆる、顧客が得られるメリットの部分である。
例えば、先ほどのマザーズバッグであれば、次の項目がFABフォーミュラのAdvantage(利点・効果)に該当する。
- 大容量のビッグサイズ
→ 荷物がたくさん入る - ベビーカーにかけるフック付き
→ 持ちっぱなしではなく、両手を開けられる - 肩にかけるベルトの部分が太い
→ ズレにくく、肩への負担も軽い - ポケットがたくさんある
→ 荷物を整理して入れられる - 撥水・防水加工
→ 濡れても乾きやすくて安心 - 値段は3000円弱
→ 高過ぎず安過ぎなくてお手頃
このように、売りたいものが相手に対していかにプラスに働きかけるか?それをしっかりと伝えることも、コピーライティングの上で大切なことだ。
しかし、あまりに大袈裟に書きすぎると誇大広告になってしまうので、注意が必要な点ではあるだろう。
Benefits(利益)
FABフォーミュラの「Benefits(ベネフィット)」とは、Feature(機能・特徴)からもたらされる、顧客にとっての「理想の未来」である。
顧客が商品を購入するには「商品を買うことによって得たい感情を満たせるか」「理想の未来に期待できるか」が大きな決め手となる。
つまりコピーライティングでは、FABフォーミュラの中で「ベネフィット」の部分が最も重要だということだ。
顧客の心に響き、まだ未確定な未来を理想的なものに思い描いてもらうよう、特に力を入れたい部分といえよう。
例えばマザーズバッグの場合、ターゲットは赤ちゃんの居る母親となる。
考えられるベネフィットは、次の項目のものだ。
- 大容量のビッグサイズ
→ 何でもは言って使い勝手が良く、長期的に使える - ベビーカーにかけるフック付き
→ 両手の自由がきき、咄嗟の動作も早くできる - 肩にかけるベルトの部分が太い
→ 肩こりや痛みに悩む必要がない - ポケットがたくさんある
→ 必要な物がサッと取り出せて便利 - 撥水・防水加工
→ 海や川にも連れていけるし雨の日も安心 - 値段は3000円弱
→ 子供が小さい間は充分に重宝する
特徴とメリットに加え、心に刺さるベネフィットでいかに顧客のニーズに答えるか?
文章力よりも、ターゲットの気持ちをいかに理解するかということも、コピーライティングのスキルとして必要なのだ。
正確には「FAMB」の4部構成である
一般的にコピーライターの間では、FABフォーミュラをF(機能・特徴)A(利点・効果)B(利益)の、3つの構成からなると理解されているが、正確には「FAMB」という4つの構成なのである。
では、ここで出てきた「M」について解説しよう。
Motives(動機)
FAMBのMに当たるものはMotives(動機)であり、ターゲットとなる消費者(ペルソナ)が、自社の商品やサービスを購入する動機である。
例えば、この場合はターゲットが「赤ちゃんの居る母親」で、赤ちゃんと一緒にお出かけするためのマザーズバッグを買う動機は次のようなものが可能性として高い。
- 大容量のビッグサイズ
→ おむつや飲み物、着替えやおしりふきなど、外出先で必要なものが多いから - ベビーカーにかけるフック付き
→ 両手が空かないと、赤ちゃんをベビーカーから抱き上げるのがしんどいから - ポケットがたくさんある
→ 荷物が多く、バッグの中を探るとごちゃごちゃになってしまうから - 撥水・防水加工
→ 赤ちゃんのミルクなどで濡れても早く乾いて欲しいから - 100均の商品は安すぎて不安。高過ぎても手が出ないから
このケースの場合、コピーライター自身が子育ての経験があると、なお理解しやすいだろう。
自身の経験をコピーライティングに活かすことも、重要なスキルだ。
FABフォーミュラをコピーライティングに活かす3ステップ
FABフォーミュラを実践するなら、F→A→Bの順に書き進めていくのがベストである。
そうすることで顧客は、商品やサービスの特徴を知った上で、ベネフィットを見つけやすいからだ。
STEP1.商品の特徴を書き出してみる
まずは、FABフォーミュラの「Feature(機能・特徴)」の部分だ。
とにかく商品やサービスの客観的な特徴を、思いつく限り洗い出してみよう。
よりニーズに叶ったベネフィットを導き出すためにも、できるだけたくさんの特徴を書き出すことが大きなポイントとなるのだ。
コピーライティングに必要か否かは関係なく、またコピーライターではない人が「当たり前じゃん」と言いそうなことまで、全て書き出すのである。
例えば、この記事で挙げているマザーズバッグのケースでは、特徴の1つとして「大容量のビッグサイズ」という点を書いた。
これを、STEP2で考えてみよう。
STEP2.その特徴から、利点を見つける
次に、FABフォーミュラの「Advantage(利点・効果)」に取り掛かる。
STEP1で洗いだした商品・サービスの特徴に対し、どのような利点や効果が得られるのかを書き出してみよう。
なかなか思いつきにくい場合、特徴の後ろに「~だから」という言葉をつけてみよう。
そうすれば、そこにつながる文章も自然と思いつきやすくなる。
コピーライターであれば、1つの特徴に対して複数の利点や効果を見つけられるよう、頑張ってみよう。
(例)
- 大容量のビッグサイズ
→ だから、荷物がたくさん入る
→ だから、セカンドバッグが不要
→ だから、出先で買い物などをして荷物が増えても安心
コピーライティングに限らず、物事のメリットや良い部分はたくさん見つけられるに越したことは無いのだから。
STEP3.特徴と利点を合わせ、ベネフィットを導く
いよいよ、STEP2で書き出した利点・効果に対して、顧客目線で言い換える。これがベネフィットである。
コピーライティングのコツとしては、「顧客目線」を意識してターゲットをはっきりさせておくことだ。
先ほどのように、「~つまり(ターゲット)は、どんな気分や未来を得られるか?」を問いかけるようにベネフィットを導いてみよう。
例えば、ターゲットを赤ちゃんの居る母親としたケースで、「大容量のビッグサイズのマザーズバッグ」でコピーライティングすると、
大容量のビッグサイズ。
だから、荷物がたくさん入る。つまり赤ちゃんの居る母親は、荷物を1つにまとめられる。
という一文が書ける。これをより読みやすく書き換えると、
このマザーズバッグは大容量のビッグサイズなので、荷物がたくさん入ります。
そのため、赤ちゃんの居るお母さんはお出かけの時、セカンドバッグが無くても荷物を1つにまとめられます。
というベネフィットができるわけである。
ベネフィットを書くときの注意点
ベネフィットとは未来の話であり、実際にはまだ起こっていないことである。
要は、想像力と経験値を駆使すれば、いくらでもパターンは考えられるものなのだ。
ただし忘れてはならないのは、ターゲットとなる人物の現実に沿って、ベネフィットを作成することだ。
例えば、
このマザーズバッグは大容量のビッグサイズなので、買い物時のエコバッグも不要です。
というベネフィットでも、人によっては「買い物のエコバッグとベビー用品の入ったマザーズバッグは、さすがに区別したい」と思うだろう。
そうなると、せっかくのベネフィットも魅力のないものになってしまうのだ。
こういう時こそ、FABフォーミュラのMotives(動機)を意識することが、コピーライティングに必要だ。
まとめ
コピーライターがセールスレターなどで顧客の心を掴むために、ぜひマスターしておくべき「FABフォーミュラ」について、お解り頂けただろうか?
顧客にとって購買意欲を刺激するような商品・サービスのベネフィットは、意外とシンプルかつ段階的に作り出すことができるのだ。
FABフォーミュラをまとめると
- Feature(機能・特徴)
- Advantage(利点・効果)
- Benefits(利益)
であり、さらに顧客が商品・サービスを購入する動機を意味するMotives(動機)を意識すると、より心に刺さるベネフィットができるだろう。