「言語化力 言葉にできれば人生は変わる」は2,30代に特におすすめな本。
こんな人におススメ
✔ コピーライティングを学びたての人・躓いている人
✔ 心を掴むコピーライティングの裏側を知りたい人
✔ 言語化力を磨き人生得したい人
著者の三浦崇宏氏自身が30代だからか、感性が瑞々しい。
電通と並ぶ大手広告代理店 博報堂の勤務後に独立した人。
R25のインタビューなどで見かけた事がある人もいるかもしれない。
キャップを被ったメガネの男性だ。
本書によると20名ほどの会社で売上高は10億円ほどだとか。
この本は読むだけで勇気が出てくる、三浦崇宏の半生記でもあり、コピーライティングを学んでいる人には大手広告代理店 博報堂の内側が覗けるメリットも。
特筆すべきは、本を読む習慣のない人でも飽きずスルスルページを進められる工夫が散りばめられている点で、出てくる事例が、キングダム、ライムスター、小林秀雄、松本人志、KREVA、スターバックス、Google、iPhone、ポケトーク、ワンピース、ベルセルクや北野武監督映画「キッズリターン」、スパイダーマン等々、2,30代の読者、特に男性に身近なものばかり。
引き込まれる文章ってこういう文章なのか、と感じる。
とても伝えきれないが、本書のありあまる魅力の一部を紹介する。
Contents
著者の三浦崇宏とは?コピーライターなのか?
三浦崇宏氏は1983年生まれの、日本のクリエイティブディレクター、PRプランナー。
早稲田大学第一文学部卒、2007年博報堂入社、2017年に電通から独立した福本龍馬氏とともに株式会社「GO」を設立。
著書には今回紹介する「言語化力 言葉にできれば人生は変わる」の他、「「何者」かになりたい 自分のストーリーを生きる」、「人脈なんてクソだ。――変化の時代の生存戦略」などがある。
「保育園落ちた日本死ね」という無名アカウントの痛烈な言語化力
2016年のあるツィートが社会的に注目された。
保育園落ちた日本死ね
たった10文字のこのメッセージは無名アカウントから発信されたツィートであった。
にもかかわらず1000人以上の人にリツィートされた。ツイッター運用している人は1000人のリツィートがどれほどすごい事かわかるだろう。
その上、国会で議論になるなど社会に痛烈なインパクトと大きな疑問を投げかけた。
少子化、共働き、子育て、女性の社会進出、仕事と家庭の両立、家事分担など社会問題にうっすらと皆気付いている今日。
お偉いさんの専門用語だらけの立派な言葉より、たった1人女性の感情の塊をグシャッと丸めたようなツィートほど社会に影響を与えた言葉はないのではないか。
個人の発信が簡単になった今、無名で、肩書もない普通の人の言葉が大きく取り上げられることが頻繁に起きている。
インフルエンサーやYoutuberのテレビへの進出や企業コラボなど珍しくなくなってきていると感じる人も多いはずだ。
だからこそ万人が言語化力を身につければ、多くの問題を解決できるようになる。
コピーライティングを学ぶことで、戦わないで勝てる自分になれる。
三浦崇宏氏が言語化力でどう現代をサバイブしているかは本書を読めば明らかになってくる。
「LIFE is Contents」三浦崇宏氏の黒歴史を武勇伝に変える力
本のタイトルとして候補に挙がったのではないかと思うのが「LIFE is Contents」というメッセージだ。
三浦崇宏氏は裕福な家庭で育っていたものの、小学生5年生の時に親の事業の失敗で「夜逃げ」を経験したとある。
成功した今、人によっては隠したい過去をコンテンツとして本に入れこんできている。
当時通っていたのはお金持ちのご子息・ご令嬢が通う私立・暁星小学校。
そんな中、家業が倒産。
世田谷の一軒家から板橋の団地に引っ越した。
三浦少年は親の倒産を周りの友達に伝えたか?
彼はこの黒歴史ともいえる事態を自らの武勇伝に変えた。
この経験こそが「LIFE is Contents」という絶対的な言葉の武器を手に入れたきっかけだそうだ。
どんな人にも黒歴史がある。
臭い物には蓋をしてしまいたいようなことを「LIFE is Contents」と、自分だけのネタ、武器、財産にしてしまうのが言語化力だ。
言語化力は4段階に分け実装
コピーライティングのポイントや方法には概ねセオリーがある。
有名なのがPASONA、HARMの法則など、万能の問題解決手段に思える。
しかし世の中に完璧なんてない。
いままでの法則で行き詰まりを感じるなら、新たな方法を試すといい。
自分なりの方法を編み出すのも良し、三浦崇宏氏のような方の思考法を真似て、どんな変化があるか検証するのも良し。
0:スタンスを決める
質問1:自分が絶対曲げたくない価値観は、どんなものですか?
質問2:どんな社会であって欲しいと思いますか?
ここがブレると人の意見に振り回される羽目になる。
今の自分の価値観を一旦決めるということ。
絶対の正解はないし誰かの批判・否定を気にすることはない。
例えば:
✔ 徹底的に最新を追い求める
✔ 昔ながらのやり方を再発見して現代に生かしたい
✔ 計画的に物事は進めたい
✔ 失敗してなんぼ行動あるのみ
など
1:本質をつかむ
スタンスがはっきりすれば、ここからは比較的スムーズだろう。
本質をつかむというのは、「抽象化」と言われる作業で例えば、
・固有名詞を省いて
・時系列も無視して
・行為と現象と関係性だけを抜き出す
これを「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」のストーリーを用いて例示されている。
2:感情を見つめる
次は、自分のスタンスと照らし合わせる。
本質を客観的にとらえた後、自分の感情を分析する。
なぜ?を腑に落ちるまで5回以上繰り返す。
心から納得できる答えが出るまで自分に問いかけ続ける作業。
3:言葉を整える
最後に言葉を整える、これは相手や場に合わせて調整することを指す。
- 言い方を丁寧にする
- ネガティブをポジティブに言い換える
- 自分の責任にする
- 可能性を残す
など別の視点で言い換えたり、印象を整える作業を行う。
コピーライティングに行き詰った時の「垂直」の思考と「水平」の思考
コピーライターに興味があるけど、不安のある人は、「垂直」の思考と、「水平」の思考を習得することをお勧めする。
思考が固まって言葉が出てこない時に使い分けたい思考だ。
「垂直」の思考とは
「なぜなら」で思考を深めていくこと
「水平」の思考とは
似た事柄を探して共通点や相違点を探して論じること
言語化力で幸福が決まる 欲しいものは○○と言い切る
幸せになるために必要なものは何だろう?
お金?家族?仕事の成功?モテ?健康?知恵?
答えはなんでもいい。願望は所詮キリがない。
人間なんて欲張りだから、1つ手に入れたらもっと手に入れたくなるだろう。
ところが、欲しいものは○○と一旦言い切ったほうが1つに集中できる。
○○を手に入れるまで他に目もくれないと決めた方が確実に幸せになれるだろう。
コピーライティングで伝えたいことを1つに絞るのは、読み手をまず1つの幸福に向けるための優しさで心配りだ。
まとめ『言語化力 言葉にできれば人生は変わる』は買い!
コピーライティングに興味がある人なら、この『言語化力 言葉にできれば人生は変わる』は買いだ。
何故なら安いから、安いというのは、言い換えると価格に対して価値が上回ることを言う。
チャレンジすれば心が折れるときもある。
三浦崇宏氏の半生をつづった本書を読めばもう一度奮起する気が湧いてくる上に、シンプルで分かりやすい思考回路を真似れば現状打破の一手になるはずだ。