『禁断のセールスコピーライティング』(神田昌典著)〜書くほどに売れる文章術とは?

神田昌典『禁断のコピーライティング』

本エントリーで紹介するのは、きっとご存じの方も多い神田昌典さんの著書『禁断のセールスコピーライティング』です。「コピーライティング技術でサバイバルできる人」や「コピーライティング技術で人生をお得に生きられる人」を一人でも多く増やしたいという気持ちで、本書の解説を書いてみることにします。

今回のお題はセールスコピーライティング

主たる教材は、『禁断のセールスコピーライティング』を用います。この記事を読むことで、セールスコピーライティングを理解し、語れる人になると思います。ここでひとつ、単なるコピーライティングではなく、「セールス」とつくところがポイント、とお伝えしておきます。「”セールス”コピーライティングって、なんだ?」に関して、友達や家族に語れるようになり、生活のちょっとした「ものを書く場面」でも活用できるはずなので、楽しみながら読んでください。

『禁断のセールスコピーライティング』はどんな本?

今回の教材『禁断のセールスコピーライティング』は、神田昌典さんが書いた代表作として知られた一冊です。

  • 2014年発売
  • 伝説の集団、『顧客獲得実践会』の会員たちが実践した究極のセールスライティングのテクニック
  • 文章に落とし込む作業を実践的に学べるもの

同じく神田昌典さんの著書『不変のマーケティング』という本に比べると、本書は実例が多いのがポイント。ただ、注意点としては、DM(ダイレクトメール)=郵送広告の話が多いところになります。話の軸がデジタルではないのです。これは2014年という出版のタイミング上を考えると、古い事例を現代版に焼き直しているものと理解した方が良いかもしれません。

著者・神田昌典さんって、どんな人? 元外務省官僚?

神田昌典さんのことはすでにご存じの方も人も多いとはずです。筆者は、神田昌典氏のお姿を講演会で実際拝見したことがありますが、結構イケメンでした。50歳過ぎた方ですが青年実業家という雰囲気でキラキラ系の雰囲気をふりまいてました。

肩書としては経営コンサルタント・作家で専門は、ダイレクト・レスポンス・マーケティング。DRMという言葉を日本に広めた超専門家といった立ち位置の人物として認識してもらうと良いかもしれません。

なにより、神田さんは経歴が面白いです。

神田昌典さんの経歴

彼は上智大学外国語学部を卒業後、ニューヨーク大学経済学修士、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士。大学3年次に外交官試験合格、4年時に外務省経済部に勤務したとのこと。つまり外務省官僚だった??? ここ、実は彼の経歴としては曖昧な箇所なんです。でも、エリートコースを歩んでいたのに、なぜかセールスコピーライティングをやっている人という不思議な人ということは間違いなさそうです。「官僚キャリアとしての未来」を捨て家電メーカーに勤め、セールスコピーライティングに出会い、経営コンサルタントや作家として花開かせるという道のりを歩みました。のべ2万人に及ぶ経営者・起業家を指導し、雑誌『GQ JAPAN』(2007年11月号)で“日本のトップマーケター”に選出されています。これは講演会やコミュニティーも含めてだと思いますが、2万人というのは、驚きですね。また、2012年アマゾン年間ビジネス書売上ランキング1位を記録していますね。

セールスコピーライティングって何?

コピーライティングを少々かじったことがある人ならわかると思いますが、コピーには2種類あります。

はい、「イメージコピー」と「セールスコピー」ですね。

  • イメージコピー
  • セールスコピー

それぞれの違いを、具体的な例とともにあげてみます。

イメージコピー ⇒ 「イメージアップ」や「認知度の向上」

が目的です。つまり、テレビCMで見るようなコピーのことをイメージコピーと言います。「イメージアップ」や「認知度の向上」が目的のコピーで、ブランディングなどに用いられるのですが、間接的で計測困難だという特徴があります。

直接的に購買者の欲求に訴えかけるわけではない、購買者の印象・記憶に語り掛ける。つまり、ユーザーが「何となく覚えている」という状態をつくり、実際に購入する場面に思い出してもらえるようにする、後々効いてくるようなコピーです。

イメージコピーには、少々、困ったポイントがあります。それは、間接的ですぐに「ユーザー行動」に現れないので困ったことに効果を計測しづらいのです。でも、大手広告代理店は、メディア占有しているそのビジネス構造を餌にして、80年代、90年代、00年代、大企業にこうしたコピー制作、大きなお金がつぎ込ませました。(ちょっと、既得権にのっかって稼ぎ過ぎた感はありますね)

  • 糸井重里さんの「想像力と数百円」(新潮文庫の100冊)
  • 「Drive Your Dreams」トヨタ自動車
  • 「お、ねだん以上。」ニトリ

どれも買ってくださいと直接アピールしていません。単純に、イメージをアピールして刷り込んでいるだけです。

それに対して、「セールスコピーはどんなものなのでしょう?」そんな疑問に対する回答を簡単にしてみましょう。

セールスコピー ⇒ 商品購入、申し込みなど行動をさせる

セールスコピーはターゲットのアクションを促すコピーのことです。つまり、商品購入や申し込みなどの行動を直接的にさせることが目的のコピーです。直接的なので計測することも可能になるなのです。

計測可能な理由は、イメージコピーと反対で対象者は、皆、すぐに購買行動に出るわけですから、結果がすぐに数字になって入手できるのです。ですから、セールスコピーを書く場合には、ビジネスに携わる人なら聞いたことのある「KPI(Key Performance Index)」という指標とともに語られることが多くなってきます。

例としては、

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こうしたコピーは、地球上で生活する者であれば、目にしたことがないという人はいないのではないでしょうか。特徴的なのは、「体言止めの命令形」などの形でしてほしいことを明確にしてある点にあります。

では、セールスコピーはどんなところで使われるのか? CMでもときどき出てくる場合もありますが多くはないですよね。電車の中づり広告なんかだと時々見かけます。

そう、セールスコピーライティングの主戦場は、主には、 以下のような媒体になります。

メルマガ

メルマガも同じです。セールスコピーの口説き文句が入っており、何通かに渡って行動を促すものが一般的です。もちろん、1通で決めるようなメルマガもある。いづれにしてもメールを使って読者が行動してくれるまで、言葉を紡ぎ続ける媒体になります。

DM

ダイレクトメールというのは、それが個人であろうが法人であろうが、誰か宛に自社商品の案内を直接的に郵送する方法での宣伝手法です。ポストを開けると入っているあの郵送物のことを一般的には指して言います。Direct Mailを略してDMと表現されます。

LP

LPというのは、 1枚ペラの「ランディングページ」といわれる長いページのこと。最後に申し込みとか登録とか購入ボタンがあり、「買う」「申し込む」「登録する」などの「コンバージョン」に導かれる形式のウェブページのことを指します。このLPというものは、たった1枚のセールスレターでいかに顧客を口説き落とすかが、勝負の中心に置かれているわけです。

チラシ

チラシというのは鉄板の宣伝ツールですね。最近でこそ若い世代には新聞の折り込み広告なんか一般的ではなくなってきているでしょう。しかし、ポスティングチラシなどもあり、このツールが廃れることは、時代がどんなに進んでもないような気がします。チラシの中で行動を促すダイレクトなメッセージが訴求されているものは、多くの人が眼にしてきているはず。つまり、そこには、セールスコピーが使われいているのです。

動画台本

動画台本ってなんですか?と言われそうですが、動画台本で一番イメージしやすいのはテレビショッピングです。特に「ジャパネットたかた」さんがやっているような見込み客を煽るようなコピー、つまりセールストークが該当します。実演販売もどちらかというとセールスライティングに近いものになってくると思います。

セールスコピーのメカニズムとは?

ダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)とは?

セールスコピーライティングは、今まで何度か出てきた「ダイレクト・レスポンス・マーケティング=DRM」の土台の上に立脚しています。DRMとは、つまり『見込み客を集める』つまり見込み客のリストを集めた上で、その『見込み客を育成』して、単なる興味・関心で入ってきたユーザーをファン化して、そのファンに時間をかけて売り込みをする、『見込み客に販売する』手法です。

簡単に言うと、「顧客を集め、育て、販売する」という流れをつくり、システマティックにユーザーを「購入」という行動へと導くわけです。でも、ここで重要なのが、相手にしているのは、人間だという点、人間には、感情が備わっているという点なのです。

そこで、出番となるのがセールスコピーライティングになります。セールスコピーライティングを習得すると、「Who(誰に売るか)」「What(何を売るか)」「How(どう売るか)」ということがクリアになります。そして、これらの仲でも、特に、「How(どう売るか)」で効力を発揮するのが、セールスコピーライティングという技術になるのです。

著者・神田昌典が語るセールスコピーライティングとは? 

『禁断のセールスコピーライティング』の中で著者の神田昌典さんはセールスライティングとの出会いをこんな風に言い切っています。

  • 「こんな世界があったんだぁぁぁぁぁ!」
  • 「言葉の力」を使って、自分に必要なリソース(ひと・モノ・かね)をすべて集められるようになった
  • 自分を中心にする思考から脱して、「あなたって、すごい」「あなたの才能って、素敵」と、相手を中心にする思考になる
  • セールスコピーを書くたびに、相手に対する思いやりが増していくことなる
  • 自分主語から相手主語への視点の切り替えは、世界が回り始めるかどうかの違いすら、生む。

こうした言葉を日本一のマーケターが語っているのを知ったら、セールスコピー、学びたくなりますよね。それくらい、効果が出やすい言葉の仕組みが、セールスコピーだと言っているわけです。

セールスコピーライティングに言葉のセンスは関係ない?

繰り返しになりますが、今すぐ行動を引き出す、購入や申し込みを促す、それがセールスコピーライティングです。数字が明確に出る上に、ウェブとの相性がすごく良いというのがセールスコピーライティングなので、インターネット上を少し探索すれば、このセールスコピーの型にはまったページは、あらゆる場所に見つけることができます。

数字が明確に出るセールスコピーは、「今すぐ行動を促したい」という欲求を持っているデジタルマーケティングとの組み合わせによって、効果倍増が期待できます。

デジタルと相性が良くて、数字をすぐに計測でき分析できる=どこにいても、だれにでも、何かを販売することができる

よく考えてみると、これって凄いことですね。でも、多くの人は、自分なんかに、コピーが書けるわけがない‼と思い込んでいたりします。ここで、声を大にして、私が言いたいのは、皆さん、勘違いしている、ということです。セールスコピーで何に差がつくかというと、実は言葉のセンスではないのです。

それよりも、むしろ大切なのは、「心理学的なセンス」や「リサーチ力」だったりするのです。むしろ、それなしには、上っ面のテクニックだけでは、すぐに立ちゆかなくなってしまいます。

つまり、色々な情報・データを分析をしたり、計算をしたり、相手の心を読んだり、心の機微を知ったりといった心理学的なセンスと、マーケティングの知識がセールスコピーライティングの良し悪しを決定づけていくのです。

本エントリーの最後に大声で言えるとすれば、

セールスコピーライティングに言葉のセンス・文学的なセンスは要らない‼

とということです。

さて、最も重要なメッセージをお伝えしたところで、本エントリーも終わりです。神田昌典さんの名著を使ってセールスコピーライティングの紹介しましたが、セールスコピーは実践してはじめてその価値に気づけるものです。ぜひ、見よう見まねでも良いので、書いてみたりもしてみてください。きっと多くの発見があるはずです。

本エントリーの目的とした読者の皆さんが『セールスコピーライティングを理解し、語れる人になる!』に1歩でも近づくお手伝いができていたら嬉しいです。

動画もあるので、ぜひこちらもご覧ください。理解が一層深まるはずです。

本書については、別途、具体的なテクニックも解説するつもりなので、楽しみにしていてください。