『「心」が分かるとモノが売れる』を読んでマーケティングを超える

ビジネスをやっている人で次のような悩みを持っている人はいないだろうか。

  • セミナーや本でマーケティングやビジネスを学んだが成果が出ない
  • 売上がなかなか増えない
  • フレームワークを使って実践しているけど成果に繋がらない

鹿毛康司氏に書かれた「「心」が分かるとモノが売れる」は思ったようにビジネスで成果が出ていない人必見の一冊だ。

鹿毛氏はエステー株式会社の宣伝部長をされている

代表作はエステーの商品である「消臭力」のCMを手がけた人物だ。

クリエイティブ・ディレクターとしてエステーの広告すべての制作を統括している。

中でも消臭力は誰もが知る大ヒットCMといって過言ではない。

そんな大ヒットを生み出したクリエイターが論理と経験を元に書かれたのが本書だ。

「「心」が分かるとモノが売れる」はどんな本か

「「心」が分かるとモノが売れる」は人の心を動かすための考え方、手法を解説している。

マーケタ―とクリエイター両方の目線からモノを売るために人の心を動かす方法を著者の事例やマーケティングの論理を元に書かれている。

前半部分ではマーケティング論理と行動に影響を与える「心」のツボの関係からクリエイティブに昇華させるための手法を具体的な事例から説明している。

後半部分には「心」のツボであるインサイトの見つけ方から使い方を通じてお客様との「心」の繋がりの重要性を説いている

お客様に行動してもらうために具体的にどう考え、どう行動すればいいのかを知りたいのであれば本書を読むべきだ。

「「心」が分かるとモノが売れる」を読むべき人

「「心」が分かるとモノが売れるを読むべき人はビジネスマン全員である。

なかでも特に読むべき人は以下のような人たちだ。

また、本書は営業以外の管理部門の人であっても読んでもらいたい一冊だ。

例え、管理部門であっても、人と関わる仕事をするはずだ。

そのときに円滑に仕事を進める上で。「心」が分かれば、あなたに対する信頼も上がり、会社にいなくてはならない人になれるはずだ。

人に行動してもらうために、「心」を動かすことはビジネスマンであれば、立場や仕事内容に関わらず必要なスキルとなる

だからこそ、本書はビジネスマン全員が読むべき本と紹介したい。

「心」が分かるとモノが売れるはマーケティングの土台

人は心で行動する

まず、モノを売る上で大切なことは人は論理的に行動するわけではない。

論理的に判断していると思っていても「心」の影響を受けて行動をしている。「心」というのは本人でも気づいていないものだ。

そして、人の行動は95%が無意識によって支配されていると言われている。

つまり、95%の行動は「心」に影響を受けている。

つまり、「心」の理解がモノを買ってもらうために大切だ。

論理だけでは大ヒットはうまれない

今現在、体系化されているマーケティング理論は本人が気づいている「感情」や「意識」のみだ。

4P理論やSTP分析というマーケティングのフレームワークがある。

フレームワークは効果的な手法であることは間違いない。

しかし、フレームワークだけでは大ヒットは生まれない

なぜならお客様を「管理する対象」として、企業が考えていた時代に即した手法だからだ。

しかし、お客様1人1人に寄り添うことが求められる時代には限界を迎えた。

現代のニーズに対して4P理論やSTP分析だけでは限界を向かえたのだ。

お客様の「心」のツボを抑えなければ大ヒットは生まれなくなった

インサイトで人を動かす

そこで生まれたのがインサイトという概念だ。

マーケティングの世界ではインサイトとは「人を動かす隠れた心理」や「無意識に行動をかき立てる心理」という意味で使われる。

人がつい行動したくなるような衝動がインサイトと言える。

インサイトとは理屈を重ねたところで、真理にたどり着くことはありません。

相手のことを観察し、「バイアス」をかけることが大切だ

状況で人の心は動く

インサイトは状況によって変わるものということも忘れてはいけない。

有事の際は特に「心」は変化しやすい。

変化するポイントを見つけることも大切だ。

変化のポイントを見つけるためには、お客様だけではなく、世間の流れや社会の状況も加味してインサイトを見つけていくべきだ

自分の心が分かるとモノが売れる

心が分かるためには自分が一流の消費者となる

「心」が分かるためには自分が一流の消費者になることが大切だ。

本書では3ステップに分けて、一流の消費者になる方法を書いている。

  • 行動を見つめる「眼力」を鍛える
  • 自分の「感情」「意識」に潜む心を見つける
  • 心のフタを開ける力をつける

3ステップに共通するのは、自分を客観的に見つめるということだ。

まず、自分の無意識を知り、どう行動するかを見つけることが「心」を分かるための第一歩だ

心でモノを見る

商品を買う際、お客様が見ているものは機能だけではないということを知っておかなければいけない

お客様が「心」が動かされるものがヒットするものだ。

そのためには「心」でモノを見る必要がある。

お客様の心を知るためにはあらゆる手段を使うべきだ。

お客様の心を分からずして、ヒット商品を生み出すことはできない。

常に、お客様と心で会話することを心掛けよう。

前節で述べた自分の「心」を知ることが、心で会話をするための第一歩だ

SNSを活用する

SNSはお客様と繋がるためにとても優れたツールだ。

SNSで繋がった絆が大きな反響を及ぼすこともある。

また、フォロワーが宣伝をしてくれて、大ヒットとなるというのは現代ではもう珍しくない。

SNSでは、1人の人が多くの人と繋がっている。

つまり、1人の熱狂的なファンを身に着ければSNSを通じて多くのファンを見つけることも可能だ。

SNSは何がきっかけで人と繋がるかわからない。

だからこそ、SNSを活用することで思いもよらないお客様と絆を生み、繋がり、大ヒットするのだ。

本書内では西川貴教さんとのエピソードを元にSNSの活用術も解説している。

現代に合ったマーケティングをどう実践していくか、ぜひ手に取って、理解してもらいたい。

まとめ

「「心」が分かるとモノが売れる」はマーケティング理論を現代に活かすために、お客様の「心」を知ることを解説した

個性や多様性が謳われている昨今、消費者1人1人にあったニーズを満たしていくことが大切だ。

お客様の「心」を知り、「心」を動かすクリエイティブさと過去から培われたマーケティング理論を融合させることで、売上は伸びてゆくだろう

本書は現代に合わせたビジネス入門書であり、ビジネス実践書だ。

ビジネスマンにはぜひ、手に取って読んでほしい一冊だ。

なお、本書の最後には糸井重里氏と鹿毛氏の対談も書かれている。

糸井氏はジブリ作品やパルコ、西武百貨店のコピーを生み出したコピーライターだ。

コピーライティングやマーケティングの超一流の考えを覗ける対談だ。

あなたのこれからのビジネスに大きなプラスとなるはずだ。