カリギュラ効果というワードを聞いたことがあるだろうか。
カリギュラ効果はコピーライターがコピーを作る際に活用できるものだ。
ぜひ、カリギュラ効果について理解し今後のコピーライティングに活かしてほしい。
コピーライターは売れるコピーを作成しなければ意味はない。
コピーというのは読者(消費者)に興味を持ってもらう必要がある。
売れる商品のキャッチコピーは、目を引く、気になる、試してみたいや購入することで消費者にとってどんな利点があるのかが分かるものが多い。
目を引く、売れているコピーの多くはカリギュラ効果が使用されている。
ではなぜカリギュラ効果を活用すると売れやすいのかをこれから詳しく解説していく。
ぜひ、カリギュラ効果とは何かを知り、これからのコピーライターとしての仕事に活用してほしい。
カリギュラ効果を知ることでコピーライティングの幅が増えるはずだ。
Contents
1.カリギュラ効果とは
人は「見ないでください」などの「〜しないでください」といわれると逆に「見てみたい」や「やってみたい」という好奇心が生まれ、禁止されたことをしてしまう。
これがカリギュラ効果というものだ。
皆の中にも学生時代に校則で禁止されている髪を染めるやスカートの長さなどを違反していた人がいたのではないかと思う。
こうした禁止されたものは人間の心理的に反発心が起き、やりたくなるものである。
噂話でも「ここだけの話」はすぐに皆の知るところになったり、また日本昔話にもある『鶴の恩返し』も「見ないでください」と言われていたのに見てしまったのもカリギュラ効果によるものだ。
人は言われたことと反対のことをしてしまいたくなるものなのだ。
2.カリギュラ効果の由来
カリギュラ効果の「カリギュラ」はローマ帝国の皇帝であったカリグラからきている。
なぜカリギュラ効果と言う名前がついたかというと、1980年に公開のアメリカとイタリアの合同制作により作成されたローマ帝国皇帝カリグラを描いた歴史映画『カリギュラ』により起きた現象によりカリギュラ効果という名前がついた。
映画『カリギュラ』の主人公であるカリグラは暴君で有名だ。
そんなカリグラを描いた映画は内容・描写も非常に過激なものであった。
そのためアメリカの一部地域から上映を禁止された映画である。
しかしこの『カリギュラ』は上映を禁止された事が返って話題を呼び大ヒット。
上映禁止されていた地区でもなんと上映解禁されるまでに話題となったのだ。
この出来事によりこの禁止されると好奇心を駆り立てられ返ってやってしまうというこの現象を「カリギュラ効果」と呼ぶようになった。
3.心理的現象「カリギュラ効果」
カリギュラ効果は学術的にはアメリカの心理学者により提唱されている「心理的リアクタンス」というものである。
リアクタンスとは抵抗と言う意味で、人は皆自分の行動は自分で決めたいという欲求を持っている。
これを妨げられた、禁止された際に人は自由を求め反発心が生じることをいう。
このように人は自由を求め、他者に縛られたくないものである。
この「心理的リアクタンス」の心理作用をWebマーケティングに活用したものをカリギュラ効果というのだ。
4.Webマーケティングとコピーライター
今、世の中にはいろいろな情報が溢れている。
昔はテレビやラジオが情報を知るための手段であった。
しかし今はケータイやパソコン、タブレットなどのインターネットが普及しており、誰でもいつでも知りたい情報を知ることができる。
またネットビジネスなど昔と比べ企業のあり方マーケティングの方法も変わってきた。
そのなかでWebマーケティングというワードを耳にしてことがあるだろうか。
WebマーケティングとはオンラインショップやWebサイトなどWeb上で商品やサービスの広告宣伝や販売をする活動すべてのことをいう。
このWebマーケティングでは実店舗と違い、手に取り商品を見て買うことはできない。
画像や動画、または記載されている文章が消費者が購入するかどうかの決め手となる。
この文章を制作するのがコピーライターの仕事である。
いかに商品・サービスの良さを消費者に伝えられるか、購入意欲を掻き立てられる文章を作成することができるかがコピーライターに求められるのだ。
5.カリギュラ効果を活用したコピーとは
コピーライターは広告などのコピーを書くことが仕事だ。
売るためのコピーを書かなくてはいけない。
売れないコピーを書いてもそれは意味がないことである。
また、売れないとなるとコピーライターとしての先も広がらない。
カリギュラ効果はこのコピーを書く際に有効に活用できる。
テレビCMやWebサイトの広告なので「〜しないでください」といいうワードを皆も聞いたこと、見たことあるとだろう。
例えば
「本気で悩んでいる人以外は買わないでください」と書いてあるダイエット商品。
「見てはいけない」や「1人では絶対見ないでください」と書いてある映画
「〇〇禁止」「〇〇限定」というワードはWeb広告などでよく見かける。
本や映画、動画などのタイトルに使用されることもある。
これらはカリギュラ効果を活用して作られている。
「〜しないでください」というワードは使ってはいけないワードのように感じるかもしれない。
しかし、このコピーは「心理的リアクタンス」の心理作用が働く。
制限されると人は興味を強く抱くのだ。
このようにコピーライターの中でカリギュラ効果は良く活用されている。
「カリギュラ効果」と名前の由来となった映画のように禁止されると興味・話題を呼び返って大きな反響を呼ぶこともある。
このようにコピーライティングの制作の際にこのカリギュラ効果を上手く使いこなすことで読者の興味を惹きつけることができるのである。
6.コピーライティングにカリギュラ効果を上手く活用するには
コピーライティングにカリギュラ効果を活用すると消費者の興味を惹きつける事ができると書いたが、それには上手く使いこなせないといけない。
このカリギュラ効果は上手く使いこなせなければ逆に誰の興味も惹きつけないものとなる。
カリギュラ効果を活用する上で2つのポイントがある。
そのポイントをこれから解説していく。
バーナム効果
バーナム効果とは誰しもに当てはまりそうなことを言われ自分のことを言われたと思ってしまう心理作用のことである。
これは例えば占いなどで誰にでも当てはまりそうなことを言われたのに自分のことを当てられたと勘違いしてしまう心理のことだ。
このバーナム効果はコピーライティングにも大事なことである。
消費者がコピーを見てこの商品は自分にとって必要なものだと思ってもらえなければその商品は売れない。
このバーナム効果とカリギュラ効果を合わせることで、「このコピーは自分に言っているのだ」と多くの人に思ってもらわなければならないのである。
理由の説明
カリギュラ効果を活用するうえで次に大事なのが「理由の説明」である。
カリギュラ効果は制限や禁止することで好奇心が生まれると話したがただ制限・禁止しても強く興味を惹かれることはない。
というのもカリギュラという映画が上映禁止により反響を呼んだのは激しい描写と内容によるものだ。
上映禁止となるほどの過激な映画とはどんな映画なんだろうと反響を呼び大ヒットとなったのだ。
このようになぜ制限・禁止なのかがわからないと人はそこまで反応しない。
ただただ「絶対に見ないでください」と書いてある映画があるとする。
人はどんな映画だろうと興味は湧くかもしれないがなぜ見てはいけないのかが分からなければお金をまで見たいとは思わない。
これが「1人では絶対に見ないでください。」とかいてあったとする。
これはホラー映画が好きな人には1人で見れないとはどんなに怖いのだろうと興味を掻き立てられ見てみたいと感じるだろう。
このようにカリギュラ効果にはバーナム効果と合わせるということと、なぜ禁止なのかという理由があることで人は強い興味を掻き立てられるのである。
7.まとめ
ここまでカリギュラ効果について解説してきたが、カリギュラ効果が人の興味を惹きつけるのに有効に活用できるというのをお分かりいただけたかと思う。
コピーライターが売れるコピーを書くためには人を惹きつけられる文章を書けなければならない。
そのためには心理的作用が大きく影響することも知っておくべきである。
どのような文章を書くかで読み手の気持ちは大きく変わるのだ。
またカリギュラ効果をただただ使うだけではいけない。
消費者が商品を買った後の自分を想像できなければ購入までには至らないのである。
コピーライティングとは言葉のセンスだと思う人もいるかもしれない。
しかしながらコピーライティングにはマーケティングをすることでいかに消費者に寄り添えるか、どのような文章を書くことで人は興味を持つのかを研究することもが大事なことなのである。
たくさんの心理的作用などの「技」を習得することもコピーライティングには大切なのだ。