社会人として大事なこと、仕事をする上で大事なことといえば「報・連・相」が重要だということは、誰もが1度は聞いたことがあると思う。
どれだけ仕事できても、上司や同じチームに対し報告・連絡・相談ができなければ厄介者として扱われてしまう。
実はこのコミュニケーションの重要性はフリーランスの仕事にも当てはまる。
フリーランスで働いている場合、チームや上司といった相手が発注者に変わる。
体調を崩したり、家族にトラブルが発生したり、事故に巻き込まれたりと人生何が起きるかわからない。
その時に発注者に対し「報・連・相」を怠ればどうなるか、簡単に想像つくだろう。
さて、そんな「報・連・相」と同じくらい、会社で仕事をする上で大切な基礎がもう一つあることをご存知だろうか?
知られているようであまり知られていないのだが「空・雨・傘」である。
この「空・雨・傘」は全てのものごとを始める上での重要な基礎だ。
これからコピーライターとして第一歩を踏み出そうとしている人、また、ライターとして、いまひとつ伸び悩んでいる人は特に記事作成の前に取り入れてほしい基礎である。
今回は「空・雨・傘」について紹介し、また、コピーライティングに利用する方法について解説していこうと思う。
Contents
私は最初この言葉を聞いた時、まさか仕事の基礎と結びつくとは想像もしていなかった。
何かの詩か本のタイトルではないかと思ったが、あなたはどうだろうか?何を想像しただろうか?
普通に生活していて「空・雨・傘」この3文字の羅列を見た時に天気の状態を想像した人も多いはず。そのイメージをそのまま文章にしてみてほしい。
空を見て、雨がふりそうかなと思ったから、傘を持って出かけたというストーリーが想像ついたと思う。
何気なく日常で行っている行動だが、「空・雨・傘」をそのまま「事実・解釈・行動」に当てはめると、とてもわかりやすい構図になる。
- 空を見たところ曇っていた(事実)
- 雨がふりそうだなと思い(解釈)
- 傘を持って出かけた(行動)
このわかりやすい構図から「空・雨・傘」と言われている。
ではこの、事実・解釈・行動は何に使うことができ、使うとどうなるかについて説明する。
空・雨・傘は新たな企画を考えるときに使用すると、最も効率的で、かつ、分かりやすく企画内容を把握することができる。
- 事実(空):需要があるできごと、または、現在困っていること
- 解釈(雨):需要に対する供給、または、悩みを解消すること
- 行動(傘):サービスを実行するとどうなるか
自分が企画する内容をこの構図に当てはめて考える。
そうすることで、この企画が需要に対し応えているものか、行動に移して利益を得ることにつながるのか、などをしっかりと把握することができるのだ。
また、自分の想像していた時より、業績を上げることができなかったその時も使うことができる。
- 事実(空):思ったよりも業績が上がらなかった
- 解釈(雨):広告がうまくいかず、サービスが広がらなかったから
- 行動(傘):広告費をかけて宣伝をしてもっとサービスを広げる
なぜ、業績が上がらなかったかについても当てはめることで、しっかりと見直しにも使えるとても便利な基礎である。
そのため、新たな企画を立ち上げたり、企画書などの文章を作ったり際に重要な鍵となる。
計画を立てる上で、事実と解釈を見失った状態で提案書を作ったところで、どんなにいいサービスを考えついたとしても、行動に移す意味がない。
事実と解釈と行動、これらすべてがうまく機能する計画を立てなくては、ただの時間と労力の無駄になってしまう。
そのため、いいサービスが思い浮かんだ時は「空・雨・傘」を使用して、企画を整理すると、サービスと問題点のつながりをしっかりと理解することができ、無駄のないサービスを考えることができる。
それでは次項でコピーライティングへの応用について考えてみよう。
「空・雨・傘」の使い方がわかったところで、コピーライティングにどのように応用するのか紹介していこう。
前項でも伝えたが、「空・雨・傘」は最初の企画段階で使うことが一番有効的である。
そのためコピーライティングで使用する際も記事の作成段階で使用すると、記事の内容が整理され、書くべき内容を明確にすることができる。
私もついやりがちなのだが、自分で情報をかき集め、どの情報が記事に有効であるかを判断する際に、不要な情報を必要な情報として判断してしまい、発注者から注意を受けることがある。
では、なぜそのような現象が発生するのか。
空・雨・傘でいうと雨にあたる解釈の部分を飛ばして傘にあたる実行に移してしまっているからである。
その注意を受けた時に私は再度自分の記事を見直し、もともとかき集めた情報と照らし合わせて、再度、検討し直す。
空・雨・傘をもう一度行うのだ。
この時にPREP法と一緒に合わせて、現状の整理を行うとなお良い。
PREP法とは何かについて説明する。
- Point:要点
- Reason:理由
- Example:例
- Point:要点
聞いたことがある人もいると思う。
この方法を利用すれば、記事そのものがもっと明確でわかりやすくなるし、説得力も増す。
最初に要点を述べ、理由をつけ、実際に利用した時の例をあげ、最後にもう一度要点を述べる。
企画を考える時だけでなく、営業や上司への報告の際にもPREP法を利用し、物事を整理してから実行に移すと、余計なコミュニケーションを省くことができ、かつ、正確に状況を伝えることができる。
ではこのPREP法と空・雨・傘と組み合わせ使うにはどうしたらいいのか。
まず、空・雨・傘を利用し、自分が書きたい記事についての状況を判断し、骨組みを考える。
次にPREP法に当てはめて、自分の解釈が事実とちゃんとつながっているか、結論に問題ないかなどを把握する。
そうすることで、自分の解釈と本来の伝えたい情報との間に、ズレが生じていないか再度確認することができる。
この骨組みと状況確認を行い、見出しや結論を先に考え、最後に文章を肉付けしていくと、説得力があり分かりやすい記事を書くことができるのだ。
実際に使用してみるとどうなるのか試してみよう。
「ダイエットに効果のあるおやつ」をテーマに記事を書くとする。
- 空:ダイエットをしているがおやつを食べたいという人は多い
- 傘:高カカオチョコレートは通常の甘いチョコに比べ、ポリフェノールが多く含まれ、食事前に食べることで満腹中枢を満たすことができ、間食もできるためストレスが少ないダイエットができる
- 雨:ダイエットをしている人を対象に高カカオチョコレートをおやつに推奨する記事を書く
次にPREP法に当てはめて骨組みを作成する。
私はダイエットに効果のあるおやつとして「高カカオチョコレート」を推奨したいと考えている。(Point)
なぜなら高カカオチョコレートは少量であれば通常のミルクチョコレートに比べ、ポリフェノールが多く含まれており食事前に50g程度摂取することで満腹中枢が満たされ、食事量を減らすことができるから。
また、ダイエットのためとはいえ甘いものや間食を完全に絶ってしまうと、かえって、ストレスが溜まってしまい、暴食やストレスによる自律神経の乱れに繋がるためである。そのため、間食で食べるものもただ甘い物にするのではなく、美味しくかつダイエットに効果的なものにすると、罪悪感も減るので、安心して楽しめる。(Reason)
実際に、フリーアナウンサーの楠田絵里子氏は毎日高カカオチョコレートを食べており、スレンダーなスタイル維持を可能としている。本人もチョコレートが大好きで、スタイル維持の秘訣に高カカオチョコレートを食べていることだと話している。(Example)
だから私はダイエットに効果のあるおやつとして高カカオチョコレートを推奨する。(Point)
この骨組みから見出しを分け、ポリフェノールの詳細な情報、高カカオチョコレートによる健康効果について追加し、リード文とまとめ文を追加すればわかりやすく、かつ、説得力のある記事が完成する。
今回は「空・雨・傘」を使用した記事作成についてご紹介したがどうだっただろうか?
- 「空・雨・傘」とは一体なんなのか。
- 「空・雨・傘」の活用法
- 「空・雨・傘」とPREP法を合わせて使う方法
この3つを上手く活用してほしい。
記事作成で行き詰っていたり、作り出しで悩んだりしている人は、ぜひ「空・雨・傘」とPREP法を利用して、ライティングに取り組んでみてほしい。
きっと今までより、効率的にかつ自分の書くべき情報が見えてくるはずだ。
こうして記事を書いている私も、まだまだ記事の作成には苦戦することも多い。
実際、この記事を最初に入稿した時はまったく別の結論にたどり着いた記事だった。
指摘を受け、見直す際に自分でも「空・雨・傘」を使用し、情報を精査し直して、もう一度作り直したのだが、読んだあなたはどう感じただろうか?
少しでもライティングの手助けになっていたら嬉しい。