コピーライティングをする上で最も大事なのは読者の心理を理解することである。
ターゲット層を明確にし、読者の心をいかに理解することができたかで、心に響くコピーを書けるかどうかが決まる。
コピーライターは、ターゲット層が「どのような人でどのようなことで悩み、何を求めているのか」を明確にするため「市場調査」をすることが大切である。
読者の心を強く惹きつける事が出来なければ、売れるコピーを書くことは出来ない。
今、世界で注目を集めているOODAループという手法がある。
このOODAループはコピーライターがコピーを書く上でも活用が出来る手法だ。
今まではPDCAサイクルという手法がビジネスシーンでよく使われていた。
これからOODAループとPDCAサイクルの違いについてと、OODAループをコピーライティングに活かす4つのプロセスを紹介していく。
Contents
1.OODAループとは
OODAループとは元は米空軍の軍事行動における意思決定方法を理論化したものだ。
戦場では刻一刻と状況が変化する。
その際に適切な意思決定が出来るかを説いたものである。
何か環境が変化したり、問題が起こった際には柔軟な対応が求められる。
このOODAループは大きな環境の変化にも活用できるのだ。
OODAループが今注目を集めている理由は、コロナなどの影響もあり社会が大きく変化したことが大きい。
この理由によりビジネス社会も大きく変化した。
そのため今、特に変化の激しいビジネスやスポーツ、政治などの分野においてOODAループが注目を集めているのだ。
OODAループは「Observe:観察」「Orient:方向付け」「Decide:決断」「Action:行動」の英単語の1文字目をとってつけられたものである。
この4つのプロセスを繰り返し行うことで、物事の変化にも素早く対応することが出来るのだ。
2.PDCAサイクルとは
PDCAサイクルとは米国の統計学者が品質の統一化、向上を目的として説いた理論である。
生産性向上や業務を円滑に改善させるために論理化されたものだ。
今していることをどう改善していくかの理論である。
そのため計画を立て計画通りに行動をしていく。
PDCAサイクルは「Plan:計画」「Do:実行」「Check:評価」「Act:改善」の4つの英単語の1文字目をとったものである。
計画
目標を立て、具体的な計画を立てていく。
「誰が、いつ、どこで、何を、なぜ、どのように、いくらで」の5W2Hを用いて細かく計画を立ていく。
実行
実行は言葉通り行動することである。
上記で立てた計画通りに実行していく。
評価
評価では、計画通りに実行した内容がどうであったか結果を出すことだ。
目標達成できていれば計画は成功であり、できていなければ計画は失敗した事となる。
改善
計画通りに行ってきたことの結果について検討をしていくことである。
結果に合わせ良い点、問題点、を出し次の段階(改善案)へとつなげていくのである。
この4つのプロセスを行い、決められた事柄についていかに高い品質のものをムダを出すことなくできるかを説いた理論なのである。
3.OODAループとPDCAサイクルの違い
PDCAサイクルとは目標が定まっており、計画がきちん立っていないと成り立たない。
予測不可能な出来事に対しては対応できないのだ。
しかし今、世界中はコロナ渦ということで物の需要や生活の基準までもが変化した。
だからこそビジネスにおいても変化を必要とされている。
こうした、いつ何が起きるか分からない事態においてはOODAループの方が世界から求められているのだ。
4.OODAループをコピーライティングに活かす4つのプロセス
このOODAループの4つのプロセスはコピーライターがコピーを制作する際の工程と置き換える事が出来る。
これから紹介するのはOODAループをコピーライティングに当てはめて考えた際のコピーライター版OODAループだ。
是非参考にしてほしい。
観察
観察とは、コピーライターでいう市場調査のことだ。
市場調査をすることで、現在の市場における状況や読者の心理を知ることが大切なのである。
コピーライターは言葉で人の心を動かせる(購買意欲を駆り立てる)技術が必要だ。
読者がどのような悩みを持ち、何が求められているのかを理解しなければコピーライティングは出来ない。
またライバル会社やライバル記事などを観察することで分かることもある。
そのためには、市場調査の中で読者の求めているものを分析しデータ収集をすることでコピーを書くうえでの知識も深まる。
そうすることで読者の心をより強く引き寄せる事ができる言葉にもつながっていくのである。
方向付け
方向付けとは、観察で得たデータを元にどのようなものが求められているのかなど今後どのような方向へ進めていくのかを定めていくことである。
コピーライティングをする際には、ターゲット層を明確にしなければならない。
上記で調査・分析し得たデータを元にターゲット層を明確にしていくのだ。
また、どのようなコピー内容にするか戦略を練る事が大事である。
どのような情報を読者が求めているのかをこの方向付けで定め、集めたデータを元に情報を作っていく。
この方向付けは、最後のプロセスでもある「行動」にも関わる最も重要と言える部分である。
この方向性によりコピーライティングの内容も変わってくるのだ。
決断
決断とは方向付けで定まった内容を元に内容を決定することだ。
コピーライティングにおける方向性の決断である。
これまで調査・分析したデータを元に方向性を定めてきた。
その中でどのような内容でコピーを書くのかをリストアップしていく。
そうすることで何を書くべきなのかを決断していく判断材料となる。
コピーライティングを行う上で必要な情報なのかどうかここで判断し決断していくのだ。
行動
ここでいう行動とは、コピーライティングを実際に行うことだ。
もしここでコピーを制作するうえで迷ったり、書けなくなってしまった際には、はじめの観察に戻り一連の行動を繰り返し行うことが必要だ。
また観察・方向付け・決断・行動にしたがってコピーライティングが出来ているのかを確認していくことも大切である。
その際に矛盾や異なってる部分があるとしたら、はじめの観察に戻り4つのプロセスを行っていく。
この4つのプロセスを繰り返し行うことが大切なのだ。
5.OODAループをコピーライターが使うと、どんな場面で活用できるのか?
OODAループではまず市場を調査し分析していくが、コピーライティングでもどれだけ調査・分析し読者の心が理解出来たかがポイントとなる。
そのためライバル記事の調査や、どんなコピーが売れ、読まれているのかなどの様々なデータを集めることが大切である。
またそのデータを元に作成していくため、データが多いほど様々な角度からコピーライティングをしていくことができる。
こう考えると、OODAループのプロセスはコピーライティングを行う工程そのものを理論化したものとも言えるのだ。
6.コピーライターがOODAループを活用するとどんなメリットがあるのか?
コピーライターがPDCAサイクルではなくOODAループを活用するメリットはたくさんある。
とくに大きな理由としてはコピーライターにおけるコピーは一つ一つが違うため同じ計画が通用しないことであろう。
コピーライティングに求められるものはどれだけ言葉で読者に動いてもらえるかである。
ターゲット層が違えば、アプローチの仕方も変わってくるのだ。
したがってコピーライターにはPDCAサイクルよりもOODAループの理論の方が最適と言える。
また1度、市場調査を行っていることから様々なデータによりターゲット層の心理を理解することでコピーライティングする際の情報をたくさん得ることが出来る。
たくさんの情報があるということは、アイデイアの引き出しが増えることにもつながるのだ。
7.最後に
売れるコピーを書くコピーライターはOODAループの4つのプロセスを意識的または無意識に行っているのかもしれない。
なぜなら、きちんと観察をし、方向付けを行い決断を下すことでライティングをしなければターゲット層も分からないままコピーを書くことになるのだ。
ターゲット層が違えば、アプローチの仕方も変わってくるのだ。
ターゲットの気持ちが分からないライターに心に響く、売れるコピーは書けないと断言出来る。
読者にとって良いものであると感じてもらわなければ、ただの広告であり、流し見で終わってしまう。
そうならないためにも、質の高いコピーを作る必要がある。
経験の浅いライターであっても、このOODAループの4つのプロセスを行うことで読者の心に寄り添ったコピーライティングが出来るようになる。
ターゲット層を明確にし、ターゲットの心理を理解することができればきっと質の高いコピーライティングが出来るはずだ。